落伍者

先月25日に口座をパンクさせてから、自己嫌悪地獄に陥りつつもこれといった具体的な行動をせず、唯一の能動的行動ともいえる「クレジットカードの限度額の増減申請」が認められて、これで借金が返せると全く意味不明の安心を得ている。

更に借金を重ねて口座に再(×100)入金をし、その金でFXでふやして借金を返そうとしているのだ。

どう考えても、人生の落伍者、破滅する人間の発想だが、8年間FXでお金を失い続けた僕には「正しい行動をしたらFXは勝てる」というこれまた意味不明の自信があるものだから、非常にたちが悪い。とある専業トレーダーが嫁さんに借金をしてもらって復活したとネットで書いているのを見たのも心の拠り所になっている。その専業トレーダーの何百、何千倍のアホが借金してギャンブルをして、人生を台無しにしているというのに…。

「正しい行動をしたらFXは勝てる」

「何が正しくて何が正しくないかはわかっている」

「だから負けるはずがない」

このまったくもって意味不明の理屈が僕の中でまかり通っている。この文章を書いている今でさえ上の理屈を信じている。強い意思があれば自分を律することができる。僕はもうこれより下がないほどのどん底に落ちている。だから、今までみたいに相場を舐めた「正しくない行動」しないはずだから大丈夫だ。さあ今すぐ入金して相場に戻ろう。こんな声が内面から聞こえてくる。もちろん借金を重ねてFXをするという愚行は認識しているつもり。で、FXで勝つしか借金を返す術がないとも思っている。これはある意味正しく、ある意味大きく間違っている。

2011年の震災直後に「これは日本が崩壊する、円の価値なんて紙切れになる」と何の知識もなく円売りで始めたのがFX。それからなんだかんだで相場に吸い込まれたのが数百万。ちょっとした高級車が買えるくらい。お金はもちろんだが、失った時間と精神のバランスはとんでもない。FXなんてやらずにその金と時間をもっと自分の楽しみに使っていればどれだけ楽しい30代が過ごせたのか…。まぁこの辺の後悔はしてもしょうがない。今の話をしよう。